ビーフシチュー作りでは野菜を長時間煮込むと煮崩れしてしまうというのも悩みのタネ。ならば、同じように野菜を長時間煮込むおでんは、なぜ煮崩れしていないのでしょう。おでん屋さんの鍋の温度は70℃。実はこの70℃という温度に秘密が隠されていました。70℃のお湯で30分下茹でしたジャガイモと、何もしていないジャガイモを98℃のお湯で2時間煮込み、この2つのジャガイモをぶつけてみると、下茹でしていないジャガイモは粉々に砕けてしまいました。いくつも繰り返してみましたが結果は一緒。70℃で下茹でしたジャガイモのほうが固かったのです。これは細胞と細胞をくっつける働きをするペクチンという物質が、70℃で30分間煮込むことで、細胞内のカルシウムやマグネシウムと結びついて固くなるため。すると、そのあと温度を上げても煮崩れしにくくなる、これを「硬化現象」と言います。でもなかなか70℃を維持してビーフシチューを煮込むのも面倒なもの。そこで秘密兵器を発見。それはなんと、どの家庭にもある炊飯器。実は保温設定が70℃でほぼ一定。一旦鍋などで温めた野菜を炊飯器に移しかえて、保温ボタンを押して30分放っておけば、煮崩れ知らずの野菜が完成します。そして、ビーフシチューのもう一つの難点、長い煮込み時間。コラーゲンは、肉を酢に漬けると煮込み時間が短縮されるというのです。酢に漬けないで2時間煮込んだ肉と固さを機械で比べてみても本当に柔らかかったのです。これは、お酢に含まれる酸が肉のコラーゲンに作用してゼラチンに変わりやすくするためだそうです。